2021年3月15日に、ヤマハ発動機が「SR400ファイナルエディション」を発売した。
これからの排ガス規制に適合しないため、日本での販売はこれで終了と発表。この時予約は6000台を超えたという。
中高年ライダーには、1978年登場なだけに、言ってみれば自分史と重なるプロダクトだから、というのもある。
SRは、スッとしていると表現したくなるような、スタイリッシュさが魅力。 デザインを手がけたのは、二輪もオーディオも、ヤマハグループの製品と縁が深い日本の「GKデザイン」だ。ヤマハの二輪では、過去に「VMAX」や「YZF R1」などを手がけている。時をさかのぼると、なつかしのスクランブラーふうロードバイク「DT-1」もGKによるもの。
冷却用のフィンが切られた単気筒のシリンダーが窮屈そうに、燃料タンクとクランクケースの間に収まり、そこからクロームに輝く排気管が伸びて出る姿がよい。二輪はエンジン周りが美しくないと、眼を奪われない。それだけは2021年になっても変わっていない。
本当は縦置きVツインにこだわらず、もっと効率よく高回転まで回るエンジンを設計してみたいのではないかと思うけれど、ビジュアル上の看板となっているこのエンジンがなくなったら、モトグッツィでなくなってしまう、と考えるファンも少なからずいる。
SRでは、前後ホイールと燃料タンクとシートとがバランスよく収まっていて、現在の二輪界の中では貴重な古典的なスタイル。
今の二輪はとにかく押し出しが強いデザインが幅を利かせている感があるものの、SRは“たおやか”な雰囲気。
1980年代の初め、ヤマハは2ストロークの「RZ」シリーズで人気を博していた。流れが変わったのは90年代後半。 二輪は別に速くなくても楽しい、という価値観が出てきた。
面白いのは、誰の中にも、モーターサイクルの基本、という概念があるように思えるのだ。 例えば、80年代初頭に、メーカーがSRにキャストホイールを履かせたことがあった。その時は、SRに乗っていなかった二輪好きまでが「それはないんじゃないの」と言った。85年にディスクブレーキをドラムブレーキに戻した時は、大胆な改良に驚かされた。
オートモーティブなプロダクト、つまり、内燃機関などを搭載する自動車や自動二輪にとって、常に前へと進んでいくのがさだめのようなところがある。でもSRは市場がそれを許さなかった。 結局、時代と合わなくなって姿を消すことになるのはことさら残念だ。
出典元:https://www.asahi.com/and/article/20210927/407863381/
4サイクル、単気筒のバイクが好きでしたね。若かりし頃はHONDA CB250RSに乗っていました。
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