出典:多忙化するケアマネ 高齢者の困りごとや治療への同意にも対応…本来業務は介護計画の作成(ヨミドクターより)
私、66歳の老人として、これらの事実を聞くと複雑な気持ちになる。一方で、高齢者が必要とする各種手続きや問題解決に対応してくれるケアマネジャーの存在はありがたい。しかし、その一方で、ケアマネジャーの役割が日々増大していく状況には、さすがに違和感を覚える。
先ずは明確なこととして、ケアマネジャーは「ケア」のマネジャーである。彼らの役割は、高齢者の心身の状態を評価し、最適な介護プランを作成し、それを実施する事業者との連携を取ることである。ところが、最近は彼らが本来の業務範囲を超えて、介護以外のあらゆる手続きや生活上の問題に対応しているという。
それに対して私が感じる違和感の根源は、ケアマネジャーが超人的な能力を持っていると誤解されかねないこの現状だ。その結果、介護以外の業務に時間とエネルギーを割くことで、本来の職務を全うできない可能性もある。それは結果として、彼ら自身の職務遂行能力に対する期待と現実とのギャップを生み出すだろう。
私たち高齢者が頼るべきは、ケアマネジャーだけではない。自治体、地域団体、そして家族や友人もまた、私たちの支えとなるべきだ。社会全体が高齢者を支える仕組みを作ることが必要であり、その役割を一部の専門家に依存させることは、持続可能な解決策ではない。
記事にもあるように、「個々の努力に依存しないシステムの構築が必要だ」というのが現実だ。それは、高齢者一人一人のニーズに対応するためのシステムだけでなく、ケアマネジャーが直面する過度な負担を軽減するシステムも含まれるべきだ。
現状では、ケアマネジャーが一人で担うべきでない多種多様な要求に対応しなければならず、その結果、彼らの仕事は際限なく広がっている。それによりケアマネジャーの離職率が増えると、その結果として高齢者へのケアが疎かになる可能性がある。
この問題の解決は簡単ではない。しかし、高齢者に対するケアは今後ますます重要になる問題であり、社会全体が解決策を見つけるべきだ。それはケアマネジャーが本来の業務に専念できるようにするだけでなく、高齢者が安心して生活できる社会を築くためにも必要な取り組みだ。