「年金+月額10万円」を実現する手段として、すぐに思いつくのは再就職だ。しかし実情はどうだろうか。今回は、50歳以上に特化した人材紹介・派遣会社、シニアジョブの中島康恵社長(30)にシニアの再就職事情を聞いた。
同社に登録している求職者数は約5万6000人。そこで職を得た人の平均月収は約25万円。同社はシステム開発が主な業務だったが、2016年に現在の事業に転換した。
きっかけは、中島氏がある会計事務所を訪問した際、「シニア人材を採用したい」と言われたことだという。シニアなのか、と中島氏が問うと、「スキルを持ったベテランが欲しい」という理由だった。
加えて、会計事務所の顧客は高齢の社長が多いため、年が近い世代が担当した方がいいという狙いもあったという。同社が募集する職種はさまざまだが、特に工場の生産管理や建設の施工管理など「現場のスキル」を持つ即戦力が多く求められている。大企業の工場で長年働いてきた人は引き合いが多いそうだ。その中で社会保険労務士など士業の募集があるのが目を引く。
中島氏によると、近年は労働問題案件が増えているうえに、補助金申請業務も多いからだという。現場で、ある程度の経験を積むことが求められます」 会計事務所に再就職するなら、実際に申告書を作成できる実務経験が求められる。資格を生かし再就職したいなら、在職中に副業でもいいから実務を経験しておくことも必要だろう。定年に備えて、会社以外の場所でトレーニングを行うことを考えたい。
「共通して言えるのは新しいことを学ぼうという姿勢が見える人」だと中島氏は答えた。
中には仕事をする準備ができていない人がいる、と中島氏は語る。
サラリーマン時代と違い、何事も先んじて準備や段取りをしなくてはならないのだ。中島氏は今後もシニアの労働市場は広がるとみている。そのためには、主体的な準備がなにより大切なようだ。
出典元:https://www.zakzak.co.jp/eco/news/210923/ecn2109230002-n1.html
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