老舗百貨店が介護サービスに乗り出している。百貨店が手がける介護サービスとは、どんなものなのか。ファイナンシャルプランナーの大堀貴子さんの解説。
高齢の富裕層を中心に、ブランド品など高額商品や外商による売上はそれほど落ち込んでいないとされているが、新たな売上を伸ばすための施策として、百貨店の強みを生かした新たなサービスを始めている。
百貨店は60才以上の利用者が半数を占めているといわれ、百貨店ならではの丁寧な接客や商品説明がシニア層の顧客に喜ばれている。
介護が必要な高齢者が店舗に行けなくなるという問題も生じており、長年の顧客であるシニア層に向け、介護サービスを始める百貨店が登場している。
1.三越:介護や看護のVIPサービスを提供
三越は、関東を中心に展開する老舗デパート。そんな三越では、保育や介護、看護サービスを展開するポピンズの『ポピンズVIPケアサービス』を特別価格で受けられる。
2.阪急阪神グループ:デイサービスや会員制サロンを展開
大阪・兵庫などを中心に阪急百貨店などを展開する阪急阪神グループでは、『いきいきライフ阪急阪神』事業を2017年から開始し、「リハビリ特化型デイサービス」やカルチャースクールや旅行などを楽しむための「会員制サロン」などを提供している。
3.高島屋:リハビリ特化型デイサービスを運営
高島屋は京都発祥の圧倒的ブランド力を誇る百貨店。高島屋は本格的に介護事業に参入。
要介護認定を受けていない人は自費サービスで利用も可能。高級感溢れる施設で、高島屋ならではの丁寧な接客やひとりひとりに合わせた介護サービスが受けられる。
百貨店を長く利用してきた人は、質の高いサービスを求めているため、介護サービスにおいても百貨店ならではの丁寧な接客やコミュニケーションはマッチしているといえるだろう。
百貨店は「物」を売るだけではなく、顧客の生活に合わせたサービスを売る時代へシフトしている。
今後、介護サービスにも多様化が求められる中、介護業界に参入する百貨店が増えていくかもしれない。
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