現役医師が体感「住みよいサ高住」の条件。広すぎる家を持て余すと「ゴミ屋敷化」することも

医療法人社団鈴木内科医院理事長兼院長、鈴木岳氏の著書『安らぎのある終の住処づくりをめざして』より

最後まで住み続けられる「高齢者住宅」には医療、看護、介護の支えが身近にあるのは必須条件です。

高齢者の中でも疾病や障害を患い、余生を過ごさなくてはならない方々を年余に渡り、住んでいただく集合住宅の住環境はどうしたらいいのでしょう?

老いて、体が効かなくなっても頭は動きます。海外生活中に医療のこと、介護のこと、これからの人生のことなど、いまに続く多くのアイデアを確立したのは自然散策であったり、一人でアパートの図書室に閉じこもったりした時間だったのです。

社交は面倒である一方で、人が人らしくあるためには必要です。介護される側の本音は、在宅一辺倒ではない 在宅介護が盛んだとされるスウェーデンでも、介護される側の本音は在宅一辺倒ではありません。

ダーラナ地方を旅した時に、お世話になったチュルさんと老人ホームの話をした際のこと。
チュルさんは年老いた独居の親御さんを時々訪問してお世話をしていました。

慣れ親しんだご近所さんとの関係が強ければ「我が家」の環境は保たれます。それが希薄になった時、新しい家族ないしご近所さんを求めて住みかえるのは悪くないと思います。

「環境の変化」は高齢者の生命力を 環境が大きく変わることを、外山義先生は著書『自宅でない在宅』の中で「5つの落差」と呼び、その落差がお年寄りの生命力をしぼませてしまう、と述べています。

環境が大きく変わることを、外山義先生は著書『自宅でない在宅』の中で「5つの落差」と呼び、その落差がお年寄りの生命力をしぼませてしまう、と述べています。

  1. 「空間」の落差:あまりにも自宅と違う大きな空間、生活の場と言いながら、まるで大病院のような、まっすぐの長い廊下、その廊下に沿って並んだ多床室。そのような空間に、ある日突然連れてこられた認知症の方が、混乱しないはずはない。
  2. 「時間の落差」:職員が働きやすいように決められた日課に、ご自分の日課を合わせなければならない。
  3. 「規則」の落差:生活の場なのに規則だらけで自由を奪われる。
  4. 「言葉」の落差:年長者として遇する言葉遣いなどをしてくれない。
  5. 最大の落差:「役割」の喪失:スタッフに全てを委ねてしまい、何の役割もない。

このような落差を念頭に入れて、環境変化の衝撃を和らげるにはどうしたらいいのでしょうか。

サービス付き高齢者住宅(サ高住)に建物に愛着が持てるよう、どこか昔の記憶を呼び覚ませるよう、形にこだわりました。サ高住は建築基準があり、バリアフリーであること、自室にトイレ洗面があることは必須条件です。

例えば、歳を取ると膀胱の機能が低下し、不眠になり、夜中に頻回にトイレに起きることが増えます。

出典元:https://gentosha-go.com/articles/-/37459

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