総務省によると総人口に占める高齢者は28.7%で、およそ4人に1人が高齢者だという。「終活」を意識した「捨てる技術」 高齢者の一人暮らしも年々増加傾向にあり、家の掃除が困難で、ごみ屋敷のようになるパターンも見られる。
そこで、カリスマ清掃員として数々の著書を持つ新津春子さんの新刊「1か月に1回物を動かせば家はキレイになる」から、高齢者でも無理せず続けることができる掃除の方法を抜粋紹介しよう。
自分の体の使い方を考えずに重いものを持つと、足腰を痛めてしまいます。物を持つ時にはコツがあります。まず、体の重心の位置を意識します。そして、自分の体重と物を同時に移動させながら、物を持ち上げて運びます。物を下ろす時も、いきなり置くのでなく、一方の足からもう一方の足へ体重を移動させ、体が安定してから下ろします。
壁を拭く時は指先を上にして拭いていきますが、低いところを拭く場合は指先を下にして手の向きを逆さにして拭くと、しゃがまずにラクに拭けます。
自分の体にやさしい工夫をたくさんしてほしいなと思います。
子どもたちが家を出る時などは、いらない物を部屋に残していくことがあります。処分していい物かどうか判断できない場合は、子どもに聞いて整理しましょう。
一人でやるのは大変なので、業者に頼んで、物を仕分けたり、運んだりするのを手伝ってもらいましょう。専門のスタッフは慣れていますし、横で作業の様子を見守れるので安心です。予算や体力、一日の作業時間を考えて、場所を分けながら進めていきます。年齢にかかわらず、そのほうが効率もよく、自分にもやさしいと思います。
全部を処分するのでなく、捨てる物と残す物とを判断し、使える物、消耗品などは、使いやすいところへ移します。部屋が多い場合は、各部屋で物を置く高さを揃えるといいですね。
年齢を重ねると、掃除をすることが大変になってきます。
高齢になると、体を動かすことがおっくうになりがちですが、動かさないでいると、次第に動けなくなってしまいます。
月曜日は手すりまわり、火曜日はキッチンのまわりなど、「1週間に1度、○○を掃除しよう」というルールを決めておくといいですね。やることを時間で区切ったり、場所で区切ったりして、どこか一つは掃除して、体を動かすようにしていきます。
掃除することによって、運動し、居場所がキレイになり、楽しく人に伝えられる話題もできます。
ペットを飼っている人は、かわいがっているペットのために、掃除を欠かさないようにしようというのもいいと思います。犬や猫は寿命が短いから、1日でも長く一緒にいるために掃除をしてキレイにする。
若いころは当たり前のようにできたことも、高齢になると、体を動かしたり、重いものを持ったりするのが一気に大変に。無理せず、掃除をすることで、程よく体を動かすこともでき、自宅の居心地もよくなって一石二鳥。
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