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51歳の実の息子が「認知症の疑いがある76歳母親」の「ヘルパー利用」を拒否した“悲しい事情”

経済的不安から母親に必要な介護サービスを利用させなかったため、のちのち大きく後悔することになった男性を紹介。

中村さんのご両親は、車で約30分ほど離れた場所に住んでいますが、今年で父親が81歳、母親が76歳と高齢。いつまで二人暮らしを続けていけるのか心配していた矢先に、その出来事は起こりました。

中村さんの母親・純子さんは、昨年から要介護1の介護認定を受け、現在デイサービスに通っていました。彼女はかんたんな調理や洗濯などの日常生活はなんとかできているものの、足腰の筋力が落ちたうえに、最近特にもの忘れがひどくなってきたことからデイサービスの通いを決めました。

ある日、いつものように送迎車に乗ってデイサービスに到着した純子さんでしたが、玄関でお出迎えした女性介護職員は、すぐに彼女の持っているカバンがいつもと違うことに気づきました。

女性介護職員が尋ねると、「たぶん家にあると思うけど……。探しても出てこないの。カバンにお財布も鍵も入っているから、主人がいないと家を出れなくて……」という返事がかえってきたのです。

聞けば、純子さんはその他にも困っていることがたくさんありました。 当然のことながら、母親がデイサービスでそんな会話をしていることを、当の中村さんは知りませんでした。

両親のキーパーソン(メインの介護者)である中村さんは、ここ数年は月に一度必ず親の顔を見に行くようにしていましたが、短時間の訪問ではなかなか親の変化には気がつかないことも多いのです。

女性介護職員は早速、純子さん担当のケアマネジャーに、彼女がもの忘れにより日常生活にかなり支障をきたして困っていることを報告しました。

ご主人も81歳とご高齢であるため、ご自身が自立して暮らすことで精一杯であることから、妻である純子さんをサポートすることは難しいと思われます。

話を聞いたケアマネジャーも、ヘルパー利用を追加するのが良いと考え、通院時やデイサービスへ行く前の準備をサポートし、見守りに入ってもらえるようケアプランを作成することにしたのです。

ケアマネジャーは早速、純子さんのキーパーソンである中村さんに連絡し、ヘルパーの利用を提案。純子さんの物忘れがひどく日常生活に支障をきたしていること、彼女の介護度なら介護保険が適用され、1割負担でヘルパーの利用ができることなどを説明しました。

中村さんは、ケアマネジャーから今まで気づなかった母・純子さんの日常的な困りごとや変化について説明を受け、母親の介護サービスを増やすことに理解を示す一方で、「ヘルパーの利用を追加する」という選択ができなかったのです。

中村さんは、母親の純子さんと仲が悪いわけではありませんし、むしろ忙しくても月に一度は顔を見せている良好な関係です。

中村さんが純子さんの介護サービスを増やすことに積極的ではない理由は、親の経済的な心配からきていたのです。中村さん自身にも家庭があり、親へ金銭的なサポートをする余裕はありませんでした。

そんな経済的事情から、ヘルパーの利用をいったんは見送った中村さん。しかし、この判断が実の母を危険な状態にさらすことになろうとは……。

出典:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/87917

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