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シニア同士でフレイル予防…広がる「フレイルサポーター」状態を互いにチェック

フレイル予防に取り組むボランティア「フレイルサポーター」が、新型コロナウイルスの感染拡大で活動の場が制限される中、コロナ後を見据え、地道に準備を進めている。

「我々サポーターも頑張りますので、ともにこのコロナ禍を乗り越えましょう」

8月下旬、和歌山県紀の川市でフレイル予防を啓発する紙芝居の練習をしていたのは、NPO法人「フレイルサポート紀の川」のメンバー16人。同市では2017年2月にフレイルサポーターが誕生し、同年10月から本格的に市民向けのフレイルチェックの運営を始めた。

19年には1年間で94回もチェックする会を開催。 昨年10月には社会福祉協議会をはじめ、他機関との連携強化などを目的に、NPO法人化した。そのため、SNSを活用し、たんぱく質を取ることができるフレイル予防応援メニューを作る動画を発信している。フレイルチェックの際に参加者の前で披露する紙芝居の練習では、参加者が集まる時間を短くしようと、20分ほどかけていた紙芝居を10分ほどに短縮することにした。

自治体の養成講座で学ぶ フレイルサポーターは、地域に暮らすシニア同士でフレイル予防に効果的に取り組んでもらおうと、東京大高齢社会総合研究機構が2015年頃から導入を進めた。

サポーターになるには、自治体が開催する養成講座を受け、予防の知識やフレイルチェックの測定実技を学ぶ必要がある。フレイルチェックでは、同機構が作成した質問項目が用いられ、「健康に気をつけた食事を心がけているか」「昨年と比べて外出の回数が減っているか」といった質問に「はい」か「いいえ」で答える。

同機構の飯島勝矢教授は「元気なシニアで構成されるフレイルサポーターが、同世代の高齢者とフレイルチェックをすることで、お互いに高め合う雰囲気が出てくる。

ストレッチをしたり、下肢の筋力強化につながる器具を使ったりと、サポーター数人が自ら“実験台”になって実践しながら、フレイルチェックで見つかった課題の改善に効果的なプログラムを検討している。

「要支援2」だったサポーターは、状態が良くなったため、認定が不要になった。同町は作業療法士と協力しながらプログラムを作り、来年度から住民向けに実施していく方針だ。「虚弱」を意味する英語「frailty(フレイルティ)」が語源で、65歳以上の1割が該当し、75歳以上で大きく増えるとされる。

兵庫県のバス会社は10月から、サポーターに認定されたバスガイドと巡るツアーを始める。フレイル予防の3本柱とされる「運動」「栄養」「社会参加」をテーマに、ウォーキングしながらフレイルチェックをしたり、地元食材を使った筋肉強化に効果的な昼食を楽しんだりする内容だ。

移動中の車内では、座ったままできる体操や、筋力アップや血流に良い献立例をバスガイドが紹介する。8月には、老人ホームの利用者向けに模擬ツアーを開催。 姫路城の絵を掲げながら豆知識を披露したり、音楽を体を動かしたりした。

神姫バスでは、コロナ禍による外出自粛でシニア層の路線バスの利用が減っていることに着目。今年2~3月には、同社のバスガイド3人を含む従業員14人が、公益社団法人・地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センターのサポーター養成講座を受講。6回にわたって、栄養の取り方や効果的な運動法などを学び、試験を経てサポーターに認定された。

同社でバスガイド教育に携わる北本友香さんは、「フレイル予防は、楽しく身につけることで継続的に取り組める。バスツアーならではの和やかな雰囲気の中で、予防法や知識を知ってもらい、日常生活に取り込んでもらいたい」と意気込みを語っている。

出典元:https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20210921-OYTET50012/

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