発症の20年くらい前から、少しずつ脳の病変が起こるアルツハイマー病。患者数が最も多いこの認知症を防ぐためには、40~50代から、自分の認知機能の変化をチェックしてほしい。
まず、次の項目にあてはまるかどうか確認を
□イライラする
□眠れなくなる
□外出がおっくうになる
□趣味に楽しみを感じなくなる
□ど忘れが増える
□同じことを何度も聞くようになる
□頭痛や胃痛がある
一つ一つは、よくあることと言ってしまえるようなことだが、「これまでと比べて」増えているかどうかが大事。
アルツクリニック東京(千代田区)の新井平伊院長によると、「変化」があるかどうかが大切で、それに真っ先に気づくのは自分だという。かかりつけ医がない場合は、認知症専門外来や、各都道府県の認知症疾患医療センターを受診してみることが必要。
認知症を診る診療科には、脳神経外科、神経内科、精神神経科などいくつかあるが、新井院長は「診療科で選ばず、ぜひ認知症専門外来を受診してください」
診断がつかない、あるいは診断に納得がいかない場合は、他の病気と同様に、他の専門外来を受診したり、セカンドオピニオンを受けたりすることも考えたい。
認知症を発症しない、あるいは遅らせる未来を手に入れるためには、自分で「変化」に気が付き、適切な医療機関を受診する積極性が大切だ。
「変化」を自覚している人、SCD(主観的認知機能低下)、MCI(軽度認知障害)の人は、元の状態に回復させることが可能だと新井院長。 アルツハイマー病と診断された人でも、進行を遅らせることができるし、「変化」の自覚のない人であれば、脳の“健康寿命”を延ばすことができるという。
認知症に至る脳の老化は、次の順番でやってくる。つまり、この順番で防ぐことが大切になる。
(1)身体全体の老化
(2)脳の血管の老化
(3)脳の神経細胞の老化
(4)メンタルの老化
まず行うべきは、生活習慣病の人はその改善。糖尿病なら血糖値を、高血圧であれば血圧を、脂質異常症であれば中性脂肪とコレステロール値を目標値にできるだけ近づけたい。
れぞれの病気を持つ人とそうでない人とでは、前者のほうがアルツハイマー病や脳血管性認知症になりやすいことは、数多くの研究データが示している。 歯周病のある人は治療を、それ以外の人もしっかりと口腔ケアに取り組みたい。
出典元:https://www.zakzak.co.jp/lif/news/210929/hea2109290002-n1.html