家に閉じこもりがちなお年寄りに少しでも外出してもらおうと、みなべ町社会福祉協議会(和歌山県みなべ町芝)は、お出かけ支援サービスをしている。利用はまだ少なく、社福協は「気分転換で外出するのに利用してもらいたい」と呼びかけている。
免許証を返納して自動車や単車に乗れないなど、外出に不便を感じている人に積極的に外出してもらおうと、昨年11月から始めたサービス。通院や食料品の買い物など、どうしても必要な外出ではなく、リフレッシュするためにグループで買い物や外食をしたり、温泉に行ったりといった利用を想定している。
利用は2人以上が条件で、1人当たり500円。移動は町内に限られ、4時間以内。他に、同じ人が1カ月に利用できるのは1回であることや、サービスの実施が1カ月に5組までであることが定められている。
利用するには事前の登録が必要で、社福協によると17日現在で22人が登録している。実際に利用したのは同日現在で延べ14人。夫婦や友人と一緒に利用し、国民宿舎や買い物などに行ったという。業務は地元のタクシー会社に委託している。
社福協の担当者は「自宅に閉じこもると、気持ちがふさぎ、体調を壊すことにもつながる。外出することで気分転換し、生活を豊かにしてもらいたい」と話す。町内ではコミュニティーバスも運行しているが「用途によって使い分けてもらえればと思う。お出かけ支援サービスなら、より楽に行ける。梅林や鶴の湯温泉など町内の名所を訪れるのもいいのでは」とPRする。
町内では他に、町が通院のための外出支援サービスをしている。支援が必要だが家族の支援が受けられず、一般の交通機関も利用できない高齢者を対象にしている。