羽咋市千里浜町の高齢者施設、風和里(ふわり)は、毎月第四日曜の午前十時半から、紙芝居を上演している。デイサービスなど施設を利用する高齢者だけでなく、地域にも開放。管理者の森川みなこさんは「施設のお年寄りと地域の人が交流する機会になれば」と話す。
六月二十六日、風和里の軒下で紙芝居が上演された。紙芝居のボランティアグループ「のまひょうしぎの会inななお」の福田美江子さん(73)=七尾市=が、「ゆりかごのうた」を歌い、スイカなど夏らしい絵を見せて語った。この日は戦争がテーマの小川未明作「野ばら」も上演。「好きになった人」を歌いながら手を動かす体操もした。
施設の高齢者十数人が軒下や扉を開け放った室内のいすに腰掛けて観賞。八十六歳の女性は「楽しかった。子どもの頃、自転車の紙芝居を見に行ったのが懐かしい」と喜んだ。
紙芝居の上演はボランティアグループからの申し出がきっかけで五月から始めた。森川さんは「施設のお年寄りは子どもが来てくれると喜ぶ。地域のお年寄りの介護予防や子どもの異世代との触れ合いにも役立てば」と地域に開放している。ただ、周知が不十分で、この日の施設外の来場者はボランティアの孫の小学生一人だった。
風和里はヤギを飼い、駄菓子屋やドッグランを設けており、「夏休みには子どもたちに遊びに来てほしい」と期待する。暑さ寒さの厳しい季節は室内で行う。
引用元:https://www.chunichi.co.jp/article/501248?rct=k_ishikawa