運転が不安だしそろそろ免許を返納しようかと考えているシニア世代には、返納後に「運転経歴証明書」の交付を受けるのがおすすめだ。「運転経歴証明書」を提示することでさまざまなサービスが割引されるなど特典を享受できる。
普段は車の運転をしていない“ペーパードライバー”だが、「身分証明になるから…」と、運転免許証を所持している人も多いのではないだろうか。
「運転をしないのであれば、運転免許証は自主返納して『運転経歴証明書』を発行してもらうことをおすすめします。『運転経歴証明書』を持っていると、さまざまなお得なサービスが受けられるんですよ」
こう話すのは、家事・節約アドバイザーの矢野きくのさんだ。
「運転経歴証明書」とは、運転免許証を自主返納、または更新を受けず失効した人が申請すると交付してもらえる(交通違反などで免許取り消しの人は不可)。
運転免許証に代わり本人確認証としても使えるものだという。
警察庁「運転免許統計」(令和2年版)によると、「運転経歴証明書」の申請数は年々増加傾向。令和2年は約49万件にものぼり、5年前と比べて2倍以上に増えている。また、申請者の年齢は65才以上が95%を占めている。
「運転経歴証明書」は、運転免許を失効した日から5年以内であれば申請でき、運転免許センターや警察署で交付手続きを行う。
「『運転経歴証明書』を提示することで、公共交通機関の割引サービスやデパート・スーパーの配送割引サービスなども受けられるんです」と、矢野さんが語るように、多くのサービスをお得に活用できる。
「全国の各都道府県単位で提供している特典やサービスがあるので、利用しないのはもったいないです。お住まいの地域情報や気になるお店の情報を積極的に探してみてくださいね」
たとえば、神奈川県の「新江ノ島水族館」の入場料が10%割引、うどん県の香川県では300円以上の注文で50円引き(はなまるうどん)など地域特性をいかした特典もある。
各都道府県の取り組みや特典については、一般社団法人 全日本指定自動車教習所協会連合会が運営するウェブサイト『高齢運転者支援サイト』にまとめられている。
JAFが行った「ペーパードライバー アンケート調査」(2017年)によると、運転をしない・運転をする環境にないペーパードライバーの男女比は、男性が45.4%、女性が54.6%で女性のほうが多く、60才以上の人が全体の20%以上を占めている。高齢化が進むにつれ、ペーパードライバーが増えていくことが予測される。今後、免許を返納したら「運転経歴証明書」を活用してお得なサービスを活用してみてはいかがだろうか。
特典リスト(東京都)30選はソースにて
出典元:https://www.news-postseven.com/kaigo/99289