玉川村は本年度、中山間地域で食品や日用品を売る移動販売サービスの実証事業に乗り出した。外出が難しい高齢者らの買い物を支援するほか、将来は戸別訪問も行って住民の安否確認につなげる構想を描く。村内で小売りや福祉サービスを手がける事業所「ひつじ百貨店」が受託し、集会所などを拠点に移動販売を始めた。
村によると、人口約６０００人のうち６５歳以上の高齢者が約２０００人を占め、高齢化率は４月現在で３３．５％。
このため村は地域住民のニーズを知り、高齢者らの生活の質を高める取り組みの検討に役立てようと実証事業を計画し、３００万円の予算を確保した。
移動販売は、小売店が少なく、高齢者世帯が多い村東部の須釜、四辻両地区などで毎週月曜日に行われている。今月から移動販売車が地区の集会所などに出向き、村内の商店から預かった食品や調味料、洗剤などを販売している。売り上げは商品を預けた商店と、ひつじ百貨店の利益となる。
同事業所は販売時に住民の異変に気付いた場合、村や村社会福祉協議会と情報を共有し、早期の発見や対応を図る。サービスの周知や利用が進んだ段階で戸別訪問も始め、各自の要望に応えた販売や安否確認の充実に結び付けたい考えだ。
１９日は移動販売車が四辻地区など村内３カ所を巡って商品を販売した。タマネギやごま油、カップ麺などが売れたといい、同事業所代表の関根祐嗣さん（４３）は「生まれた土地で安心して暮らせるようなサービスを提供したい。商品を売るだけではなく、高齢者との交流や情報共有も図りたい」と話した。
移動・訪問販売と見守り活動の連動を巡っては、スーパーのいちい（福島市）などが自治体と連携し、販売とともに高齢者らの安否確認を行っている。
引用元：https://www.minyu-net.com/news/news/FM20230620-785967.php
