神戸市は、高齢者に対して運転免許の返納について考えるきっかけを与えるための新しい施策を進めていることがわかりました。市が実施したアンケート調査では、半数以上の市民が「運転能力などの診断」を返納の検討における重要な要素として挙げました。高齢者と家族の間で事故リスクに関する意識のギャップが生じることも多いため、市は運転能力を客観的に判断するための取り組みを進める計画です。
アンケートは2月から3月にかけて、市のネットモニターを対象に行われ、65歳以上の高齢者や高齢者の家族など、合計3426人が回答しました。自主返納を検討するか、または家族と話し合うきっかけとなる取り組みについて尋ねた設問では、57.5％の回答者が「運転能力・事故リスク診断」を選択しました。また、「家族からの話を聞いてもらえない」「運転の適性を判断できる指標が必要」といった意見も寄せられました。
そのため、神戸市では2023年6月から全国で初めて、高機能型ドライブレコーダーを設置するための補助制度を開始します。このレコーダーは運転技術を診断することができ、最大で約1万円の補助金が支給されます。運転終了後に診断結果や運転時の映像をスマートフォンで確認でき、家族とも共有できるタイプのレコーダーが対象となります。
また、自主返納を考える高齢者やその家族向けに「自主返納相談窓口」も開設されます。こちらでは電話などで悩みを受け付けます。さらに、返納を実施した人には12月28日までICカード（ICOCAカード）5,000円分がプレゼントされるキャンペーンも実施されています。
これらの取り組みにより、神戸市では高齢者の運転免許返納に関する意識と情報の提供を行い、返納に積極的に取り組むことを支援しています。高機能型ドライブレコーダーの設置補助や自主返納相談窓口の開設、プレゼントキャンペーンなどは、高齢者とその家族に返納についての重要性を伝える一助となるでしょう。
神戸市の取り組みは、高齢者の運転能力や事故リスクに対する客観的な診断を通じて、安全な社会への移行を促進し、交通事故のリスクを軽減することを目指しています。高齢者の運転による交通事故の予防と、家族や周囲の人々の安心・安全を確保するために、市民の協力と理解が不可欠です。
神戸市の新施策が成功することで、高齢者が自主的に運転免許を返納する意識が高まり、安全で快適な交通環境が実現されることを期待しています。高齢者の方々が社会の一員として自立し、健やかな生活を送ることができるよう、引き続き取り組んでいく予定です。
参考サイト：https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/202305/0016336252.shtml
