大分合同新聞より
コロナ禍による外出控えで高齢者の活動量減少や栄養不足が懸念される中、臼杵市は高齢者が集う場に学校給食を届ける「地域ふれあい食堂」事業に取り組んでいる。希望する地域振興協議会の拠点に配送。栄養価がしっかり計算された質と安全性の高い食事を取ってもらい、多くの人と食卓を囲むことで見守りや住民間の交流の機会も増やす。
市によると、市内の高齢化率は41・64%(1月1日現在)。コロナ禍が長引く中、感染予防のために外出を控える高齢者は多く、地域サロンの活動やイベントなども減っている。
事業は高齢者の生活をサポートしようと昨年11月にスタート。今年2月末まで試験的に実施する。地域振興協議会は住民による地域づくり組織で、給食は臼杵地区8、野津地区6カ所が希望。健康教室などの活動日に合わせて両地区の給食センターから届けてもらう。各地区1日1カ所(10食限定)のため、依頼日が重なった時や1回の参加者が多い場合は日にちをずらすなどして調整している。
1月25日は野津地区振興協議会が活動拠点とするコミュニティーセンターで、健康教室に参加した住民10人が給食を食べた。献立は鶏めし、だんご汁、大根サラダ。サトイモやニンジン、大根など臼杵産の野菜がふんだんに入ったメニューを味わった。
野津町宮原の野中加代子さん(70)は「久しぶりに仲間たちとご飯を食べられてうれしい。カロリーや栄養バランスが考えられたメニューにも感心した」。事業費は約50万円。タクシーでの配送料や食器購入費などを市が負担し、給食費は利用者の実費で1食約250円。市地域力創生課の松下源記主事(25)は「給食事業にとどまらず、住民間の交流や支え合いにつながる取り組みを推進していきたい」と話した。
引用元:https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2023/02/01/JIT202302010859