愛媛新聞ONLINEより
大阪の高齢者施設で暮らす宇和島市出身の女性に、思い出の地へ「模擬外出」してもらおうと、桃山学院大(大阪府和泉市)の学生6人が宇和島、西予両市を訪れ、女性が通っていた小学校や神社などの撮影に取り組んだ。年明けに上映会を開き、女性に楽しんでもらう。
大学で福祉を学ぶ学生を中心とした学生団体が、本年度から新たに取り組む活動の一環。新型コロナウイルスの影響で外出が難しくなっているお年寄りに旅行気分を味わってもらい、体や心が弱る「フレイル」を防ぐ狙いがある。
今回は、大阪市の特別養護老人ホームで暮らす居村福美さん(80)の「模擬外出」を計画した。居村さんは中学生まで宇和島市で暮らしており、学生が居村さんを訪ね、思い出や行ってみたい場所を聞き取りした。
メンバーは3、4両日に現地入り。居村さんの母校の番城小学校や祭りがあった和霊神社、親戚の家があり遊びに通ったという西予市宇和地域を巡った。
特産の真珠について知りたいとの希望から訪れた土居真珠(宇和島市三浦西)では、学生が真珠の核入れや取り出し作業の様子をスマートフォンで写真や動画に収めた。真珠のできる過程や品質の見分け方を教わり、居村さんに持ち帰るお土産も準備していた。
岩崎亜耶さん(23)は「居村さんに喜んでもらうのが一番。学生も思い出を感じることができる」と意義を語っていた。