高齢者宅に眠る洋服をリメイク、短大生が交流プロジェクト【福岡市早良区】

1970年代に開発され、住民の高齢化が進む福岡市早良区の「星の原団地」で、地元の学生が高齢者の家庭に眠る洋服をリメイクするプロジェクトに取り組んでいる。新型コロナ禍で団地の交流イベントが減る中、孤立を防ぐ狙いがある。11月に初めてお披露目会が開かれ、学生たちは思い出が詰まった一着を「変身」させて届けた。

「ふるぎの未来」と題したプロジェクトで、中村学園大短期大学部(福岡市城南区)のキャリア開発学科の学生8人が、ゼミ活動の一環で実施。深刻化する孤立化に着目して交流の糸口を探り、高齢者の思い入れのある服をリメイクすることで「身に着けて外に出るきっかけにもなるかもしれない」と考えた。

学生たちは、コロナ禍を踏まえ、なるべく接触を避けて交流できる方法を模索。団地を運営・管理するUR都市機構に協力を仰ぎ、一人暮らしの高齢者らに不要になったり、着ていなかったりする服の提供を呼びかけ、肩パットがあしらわれた40年前のジャケットや、サイズが合わなくなったシャツなど約20着が寄せられた。学生たちは裁縫には詳しくなかったため、インターネットや動画投稿サイト「ユーチューブ」でやり方を調べ、約2か月かけて、別の形の洋服や、エコバッグ、巾着などにリメイクした。11月17日に団地の集会所でお披露目会があり、完成した品物を高齢者らに手渡した。

柳野ハル子さん(81)が提供したチェック柄のジャケットは、袖を切ったベストに生まれ変わった。約40年前に、仕事で福岡市・中洲で営業していた百貨店に行く時に着ていたといい、「あの頃を思い出した。大事にします」と笑顔。町内会長の原川輝代さん(72)も「学生の新鮮な感覚で、一生懸命やってくれて元気をもらえました」と話した。

同学科ではこれまでもURと連携し、団地の高齢者と一緒に、年賀状制作や健康体操などのイベントに取り組んできた。指導する岩田京子教授は「高齢者との交流を通して、地域の課題に関心を持ち、多世代交流できる人材として活躍してほしい」と期待する。

プロジェクトでリーダーを務めた2年の牛嶋美月さん(20)は「卒業後も、地域を支える取り組みに積極的に関わっていきたい」と語った。

引用元:https://www.yomiuri.co.jp/life/20221209-OYT1T50083/

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