厚生労働省が、17日の社会保障審議会医療保険部会に提示する後期高齢者医療制度改正案の全体像が明らかになった。高所得者の2024、25年度の年間保険料の上限額を現在よりも14万円引き上げ、80万円とすることが柱だ。75歳以上の加入者の約1・3%が対象となる見込みだ。
出産時に各医療保険から支給される出産育児一時金の増額に対応する狙いがある。
今回の見直しでは、後期高齢者1人当たりの保険料と、現役世代1人当たりが後期高齢者医療制度を維持するために支払う支援金の伸び率が同じになるようにする。所得が多い高齢者の保険料の支払いを増やし、現役世代の負担上昇の抑制を図るものだ。
負担増となるのは、年金収入153万円を超える人となる見込みで、加入者の約4割が該当する。健康保険組合(健保組合)に加入する現役世代の場合では、1人当たり年額1000円の軽減となる。