3年ぶりに通常開催された伊賀市の上野天神祭に倣い、伊賀市平野清水のサービス付き高齢者向け住宅「憩いの里伊賀ケアホーム」駐車場で26日、「憩いの里天神祭」が開かれた。祭りを見物できないお年寄りのためにと、職員らが 楼車だんじり と鬼行列、 神輿みこし を手作りした。壮麗な楼車と鬼の熱演に、お年寄りたちは手をたたいて喜んでいた。
本物の天神祭に連れて行くと、雑踏で事故に遭う危険性があるとして、2013年から施設内で続けている行事。楼車は、台車を2台つなげて鉄パイプで骨組みを作り、段ボールの屋根を乗せた。鬼の衣装や釣り鐘などの小道具も、職員が仕事の合間に製作した。
ケアホームの入居者に加え、隣接する特別養護老人ホーム「伊賀の街」の入所者やデイサービスセンター利用者ら計約110人のお年寄りが、車椅子やパイプ椅子に着席。祭り 囃子ばやし が流れると、鬼や 天狗てんぐ の面を着けた職員が練り歩き、楼車や、今年新たに作製した神輿も繰り出した。
ケアホームに入居する中村弘之さん(91)は、鬼行列を受け持つ町の出身。「職員のみなさんは上手に練り歩いていて、本物と変わらなかった。楽しかった」と満足そう。
ひょろつき鬼を演じた「伊賀の街」施設長の伊藤あこさん(44)は「久しぶりの巡行を見学に行き、動画撮影して動きを研究した。釣り鐘は段ボール製でも結構重い。でも、喜んでもらえて良かった」と、面を外して笑顔をみせた。
引用元:https://www.yomiuri.co.jp/local/mie/news/20221026-OYTNT50181/