知らない間にインターネットバンキングの利用が開始され、現金が不正に送金される新手の詐欺が県内で広がり、金融機関や県警が警戒を強めている。未利用の高齢者が狙われやすく、新たに岩手銀行とJAバンク岩手は65歳以上の新規手続きに制限を設け被害防止につなげる対応を打ち出した。犯人に対し「口座情報は教えない」といった基本的な詐欺対策と合わせて注意が必要だ。
JAバンク岩手は11月7日から、65歳以上の高齢者がネットバンキングを新規利用する場合、手続きを窓口のみに限定。従来はネット上で完結しており利便性は低くなるが、県信連JAバンク統括部の中村要・部長代理は「お客さまの大切な貯金を守る対策」と理解を呼びかける。
岩手銀行も今月14日から、同様に年齢制限を設けた。北日本銀行は全利用者に対し、登録時に顔写真と運転免許証などの写真添付を求めている。東北銀行も高齢者からの申し込みがあった際に、支店から本人に電話連絡するなど対策を講じている。