大村秀章知事は十三日、豊橋市出身の俳優松平健さんを県の高齢者交通安全広報大使に任命した。昨年、一昨年に続く任命で、「オーレ!愛知県 高齢者交通事故防止」を県民に呼びかけてもらう。県公館であった任命式後の知事との対談で、松平さんは「私も近く六十九歳になり、ひとごとではない」と意気込みを見せた。
今年に入り、県内の交通事故死者は十二日時点で昨年同期比十七人増の八十九人で、大阪府(九十九人)に次いで全国ワースト二位。県内死者のうち、六十五歳以上の高齢者が半数近くの44・9%を占める。昨年は六割を超えていた。
このため、県は高齢者への呼びかけの柱として(1)自転車に乗るときや歩行時に、ヘルメットや反射材の着用(2)ペダル踏み間違いによる急発進抑制装置などを搭載した車(サポートカー)の利用(3)運転免許証の自主返納や、サポートカー限定免許の申請−を挙げている。松平さんに発信してもらうことでPR効果を高めることを狙う。
任命式で、大村秀章知事が任命状ととともに、「マツケンサンバ」をイメージした金色の広報用法被を手渡した。松平さんは法被に袖を通し、「身の引き締まる思い」とあいさつした。
大村知事との対談では、知事が、帽子のように見えるデザインのヘルメット三種類を手に取って、「購入には各市町村を通じて補助を出している」と説明。松平さんは「ファッションの一つとして使ってもらえそう」と感想を話した。
また、松平さんが「車は便利なので、免許の自主返納はちゅうちょする人も多い」と指摘すると、知事は免許返納の一歩手前の新制度として「サポートカー限定免許」を紹介。「車がないと生活に困る人は多いが、ぜひ利用を」と話した。
対談の様子は九月下旬ごろから動画投稿サイトユーチューブのチャンネル「あいちの地域安全 愛知県」で見ることができる。