スーパーでセルフレジの導入が進む中、高齢者らがゆっくりと安心して支払いできるよう、専用レジを設ける店舗が全国で増えている。福井県民生協(本部福井県福井市)でもハーツ全店で「ゆっくりレジ」を設置し、利用客が焦らずに会計できる仕組みを整えている。
「ゆっくりレジ」は全店舗に1レーン設置。「お急ぎの方は別のレジにお並びください」などが書かれたのぼり旗が設置されており、買い物客は慌てることなく小銭やカードを出し入れすることができる。店員は利用客が希望すれば、袋詰めや精算なども手伝うという。
導入は、精算機で決済するセミセルフレジで手間取り焦っている買い物客や、使い方が分からなかった人を店員が見かけたことがきっかけ。昨年から実験的に曜日や時間を絞り「ゆっくりレジ」を導入したところ、評判が良く、「いつでも使いたい」などの声が多かったことから、今年4月に全店舗で常時導入した。
ハーツ羽水店ではマニュアルに基づき店員の研修も行い、▽大きな声ではっきり発音▽重たいかごを運ぶ▽レシートは別に渡す―などを行うよう心掛けているという。
ゆっくりレジを利用した70代女性(福井市)は「ポイントカードや小銭など出し入れに時間がかかるので、なるべく利用するようにしている」。1歳の息子をカートに乗せた30代女性(鯖江市)は「子どもがいるので重いかごを持ってくれるなどの気配りがうれしい。焦らず安心してお会計ができありがたい」と笑顔だった。
羽水店の友田明宏店長は「ゆっくりレジを利用してくれた人だけでなく家族からも取り組みへの感謝の声が届いている。今後もお客さまに快く利用してもらえるよう配慮していきたい」と話していた。
引用元: