山梨県内の「サービス付き高齢者向け住宅」の所有者たちが建設にあたり、ずさんな審査で通常より高い融資を受けさせられたとして、融資元の住宅金融支援機構などに合わせて10億円余りの賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。
訴えを起こしたのは、山梨県内に介護や医療などが受けられる「サービス付き高齢者向け住宅」を建設し、所有している8人と企業1社で、20日に弁護士などが都内で記者会見しました。
所有者たちは、不動産事業などを手がけていた甲府市の「新日本通産」から「入居率も高く、家賃収入が保証できる」などと勧誘され、サブリースの契約を結んだということですが、実際には入居する人がほとんどおらず、約束された賃料も支払われていないと主張しています。
そのうえで、ずさんな審査で通常より高い融資を受けさせられ、多額の債務を負ったとして、融資元である住宅金融支援機構と、山梨県民信用組合、それに、国などに合わせて10億円余りの賠償を求めています。
新日本通産はおととし7月、甲府地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けています。
会見で河合弘之弁護士は「『サービス付き高齢者向け住宅』の建設という国民のための政策が、市民に不当な被害を与えた。社会的な問題だ」と話していました。
訴えについて独立行政法人住宅金融支援機構と山梨県民信用組合はいずれも「訴状が届いていないため、コメントを差し控える」としています。
引用元:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220620/k10013680981000.html