東京新聞より
埼玉県鶴ケ島市と熊本県美里町の高齢者たちが22日、ビデオゲーム「ぷよぷよ」を活用したeスポーツのオンライン交流戦を開いた。
市では、認知症予防やフレイル(心身機能衰退)予防などを目的に、ビデオゲームを使ったeスポーツ参加を60代以上の市民に奨励。昨年7月に初心者対象の体験会を市役所で初開催した後、毎週1回のシルバーeスポーツ体験会に県内在住のプロ選手を招くなどして普及に努めてきた。同色のブロックをつなげて消す速さを競う「ぷよぷよ」は、eスポーツ専門家によると、空間認識能力や記憶力の向上に一定の効果を期待できるという。
約1200キロ離れた両地域を結んだこの日のオンライン交流戦は、市の取り組みを報道で知った熊本県eスポーツ協会のオファーにより実現。市側は60歳以上の7人、熊本県美里町側は9人が「1対1」「2対2」の順で対戦。参加者たちは必死にボタンを操作し、勝ち負けに一喜一憂していた。試合後は、それぞれ事前に贈り合った特産品(豆腐みそ漬けや干し柿など)を笑顔で受け取り、再戦を誓い合った。
この日初めてプレーしたという鴨下恵美子さん(70)は「去年退職したばかりだが、やりがいのあるものを見つけた感じ。美里町の方々と、ぜひもう一度対戦したい」と目を輝かせた。