NHKより
金融機関などの窓口で、耳が聞こえづらい高齢者とのやり取りを支援しようと、耳の軟骨を使って音を聞く仕組みを活用したイヤホンが、都内の信用金庫などで試験的に導入されることになりました。
27日は、「軟骨伝導」と呼ばれる聞こえの仕組みを発見した奈良県立医科大学と、全国の36の信用金庫で作る団体が、試験導入に向けて連携協定を結びました。
「軟骨伝導」は、耳の入り口付近にある軟骨に振動が当たって、耳の中に音源が発生すると、そこから空気の波を通じて鼓膜が震え、音が聞こえる仕組みです。この仕組みを活用したイヤホンは、音漏れが少なく、周りに個人情報などを聞かれる心配が少ないのが大きな特徴の1つだということで、協定では、都内の信用金庫の窓口などで、ことし4月以降試験的に導入するとしています。
試験導入を行う信用金庫によりますと、コロナ禍で職員はマスクを付けているうえ、窓口がパーティションで仕切られているため、高齢者とのやり取りがしづらいケースが増えているということで、今後、効果や使いやすさなどを検証したいとしています。
「軟骨伝導」の仕組みを発見した奈良県立医科大学の細井裕司学長は「多くの人に使ってもらって役に立つかどうかを確認し、耳の聞こえづらい高齢者が安心して窓口に行ける社会を目指したい」と話していました。
引用元:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230227/k10013992691000.html