日刊スポーツより
国土交通省は21日、一定の区域内でのタクシー定額乗り放題を解禁する方向で調整に入った。鉄道やバスといった公共交通の便が良くない地域で、買い物や通院など高齢者らの移動手段確保につなげる。ただ地元自治体などの合意が条件となるため、導入時期は各地の協議に委ねられる。地方公共交通の再編に向けて次期通常国会に提出する関連法の一括改正案への反映を視野に入れる。
タクシーの定額乗り放題は福島県郡山市が先行事例として挙げられる。市内の一部区域が対象で月額1万円。市内全域だと3万3千円となる。
ただ郡山市のサービスはタクシー業者ではなく、関連の旅行業者が観光事業として提供している。タクシー業者が行おうとすると、時間や距離を考慮して定める運賃の制度上、高額になる可能性があるためだ。
制度改正に当たっては、運賃制度は変更しないまま、タクシー業者が定額制を導入できるようにする。鉄道やバスの運行本数が少ない地域や、駅やバス停まで遠い場所での運用を想定している。
一括改正案は地域公共交通活性化再生法や鉄道事業法、道路運送法などをまとめる。人口減や新型コロナウイルスの影響で経営が厳しい鉄道やバスの利用促進や路線維持をすることが狙い。
鉄道に関しては、国や自治体、事業者で存廃を議論する地域協議会を法制化。認可上限を超えて値上げをする場合、地元の合意を得れば、国の認可なく運賃を値上げできるようにする。
地域交通活性化法の改正では、赤字の路線を抱えているが全体では黒字となっているJRへの支援を可能にする。現在は全体として経営難の会社が対象だった。
引用元:https://www.nikkansports.com/general/news/202212210001298.html