「紹介者を増やすだけで報酬」と高齢者を勧誘…主宰者が逮捕されたみんなのたまご倶楽部の活動実態とは

「みんなのたまご倶楽部」は昨年10月の運営開始以降、ねずみ講方式で高齢者らを次々と会員に引き入れたとされる。報酬を受け取っていた会員は一部にとどまり、当初から苦情が相次いでいた。ある会員は「他人を巻き込んでしまった」と悔いる。

「こんな簡単に報酬が!」—。倶楽部のパンフレットでは、約2万4000円を支払って入会すれば、月に2万5000円の報酬が得られると明記していた。

ただ、報酬には条件があった。月に約1万4000円を追加で支出し、1個150円の高級卵を90個買い取ること。さらに会員の勧誘に成功すれば、1人当たり月に最大24万円の追加報酬を得られるとうたっていた。

「高齢でずっと働けます?紹介者を増やすだけで報酬が入って幸せになれますよ」「私はペテン師ではなく、『ペ』を取って天使です」。峯岸容疑者は「峰岸妙光」と名乗り、全国各地でのセミナーやSNSで入会を勧めてきた。

高齢者を中心に会員数が半年足らずで1万人に達する一方、国民生活センターには、「みんなのたまご倶楽部」絡みとみられる相談が、「卵が届かない」「会員を紹介したのに報酬が振り込まれない」「返金を求めたいのに業者と連絡がつかない」など数十件あったという。

「すっかりだまされた」と肩を落とすのは、今年1月に会員となった岐阜県大垣市の会社員男性(51)。報酬として4万5000円を受け取ったという知人の70代女性に勧められ、「卵は健康に良いし、お金も入るなら」と入会した。自らも2人を紹介したが、報酬は1万円。「実は1個15円だった」(捜査関係者)とされる卵は1度も届かなかった。

別の会員に頼まれて倶楽部の宣伝活動を手伝った時期もあったため、年金で入会金を支払った高齢者から「だましているんじゃないのか」と苦情を受けたという。「峯岸容疑者への怒りもあるけど、他の人への申し訳なさもある。見る目がなかった」とうなだれた。

引用元:https://www.tokyo-np.co.jp/article/217118

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