生保各社の業績、コロナ入院給付金の急増で利益減る

第7波で新型コロナウイルス感染症に関連した入院給付金支払いが急増し、国内大手生保各社の業績が振るわない。大手9社の2023年3月期業績予想は8社が本業のもうけを示す基礎利益の減少を見込む。

コロナの入院給付金をめぐっては、9月に対象者を限定したことで、今後は支払額が減る見込み。だが足元は第8波の感染拡大に警戒する声が聞かれ、しばらくコロナに業績が左右されそうだ。

「コロナ感染拡大による業績への影響は想定以上に大きかった」。日本生命保険の佐藤和夫取締役は、25日の決算会見でこう述べた。  同社は22年4―9月期にグループでコロナ関連の入院給付金支払額が約846億円に上った。グループと単体の違いはあるものの、第一生命保険に比べ約300億円多い規模。

「足元も高水準の支払いが続いている」(佐藤取締役)とし、さらに「第8波の支払いも見通せない」(同)との状況を受け、23年3月期通期予想の基礎利益も大幅減益を覚悟する。

第一生命はコロナの入院給付金支払いを巡り、22年上期(4―9月)が約530億円に対し、22年下期は約370億円を予想。9月に生保業界全体で入院給付金の対象者を高齢者や妊婦といった重症化リスクのある人に限定したことで、「下期の給付金支払額が若干少ない」(竹内章二取締役)と見通す。

富国生命は上期に支払った入院給付金268億円のうち、「重症化リスクの高い人の割合は約3%だった」(鳥居直之取締役)。97%は支払い対象外のため、上期と同程度の感染者数を想定した場合、下期の給付金支払額は数億円にとどまると予想する。

各社はコロナ関連以外でも、資産運用面で日米金利差の拡大による為替ヘッジコストの増加も利益を押し下げるとみる。一方、米国金利の上昇で、外貨建て保険の販売が伸び、売上高に相当する保険料等収入は増加を予想する企業が多い。本来なら増収は喜ばしいことだが、コロナによる減益要因で、手放しで喜べない状況だ。

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/94e304b791103c1ea6a19db0ba2c8c6183794e2b

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次