富山県立大は十七日、同大射水キャンパスで、高齢者向けeスポーツ体験会を開いた。同大工学部情報システム工学科の研究室が昨年に開発した「窓ふきの達人」を高齢者が体験し、学生と交流を深めた。
ゲーム開発に携わった鳥山朋二教授のゼミを受講している二年生十二人が体験会を企画運営した。射水市の作道地域振興会の高齢者約十五人らが参加した。
同ゲームは、モニター画面上に表示される窓の映像を見ながら、カメラに向けた自分の手を上下左右に動かし、制限時間内に窓ふきした枚数で得点を競う。楽しみながら無理なく腕を動かし、学生と異世代間交流することでフレイル予防(要介護状態の予防)の効果も期待できるという。
高齢者は、学生にゲーム設定してもらいながら、交代でゲームに挑戦。お互いに声援を送り合って、和気あいあいと過ごした。
射水市地域支え合いネットワーク事業で生活支援コーディネーターを務めている草野憲恵さんが昨年、同大などが高岡市の公民館で開いたeスポーツ体験会の様子を知って、同大に参加を申し込んだ。草野さんは「ゲームでドキドキし、高齢者の気持ちが若返ると思う。男性にも参加してもらいやすい」と話す。
司会進行した長谷川知紀さん(19)=名古屋市出身=は「楽しんで体を動かしていただいて企画は成功。高齢者への伝え方やコミュニケーションの取り方が勉強になった」と感想。鳥山教授は「エンジニアは世の中に役立つ物を作らないと。そのためには技術だけでなく、直接、生の反応や人の表情を見ることも大事」と話した。