JAグループのアグベンチャーラボの支援を受けた「KAERU(カエル)」(東京都中央区)は、高齢者の買い物をサポートするキャッシュレス決済サービスを始めた。事前チャージ式のプリペイドカードで、買い過ぎを予防。併せて使うスマートフォン用アプリで、買い忘れや2度買いを防ぐ。物忘れなど認知機能の低下が気になる高齢者でも、自らの意思で買い物を続けられるよう支援する。
サービス名も「KAERU」。アプリで毎日の利用可能金額を設定すると、買い物で使った分だけ翌日、カードにチャージされる仕組み。お金は事前に指定の銀行口座に振り込む。マスターカード加盟店で利用できる。
アプリには「アシスタント機能」を備える。離れて暮らす家族や介護従事者らがスマホやパソコンなどから、チャージや決済の履歴の確認、カードの一時停止などの操作ができる。買う物をアプリにメモすると店に近づいた時に通知する機能や、買った物を写真で記録できる機能もある。
今後、半年程度はアプリの登録やカードの発行、決済、アシスタント機能などを無料で使える。一部の機能は有料化を予定する。
同社はアグラボの「JAアクセラレーター」第3期採択企業。アプリ開発には、JA女性部員の意見を反映させた。岡田知拓代表取締役最高経営責任者(CEO)は「エーコープやJAが運営する介護施設・高齢者向け住宅などとも連携を進めたい」と意気込む。