「SNSの友達数がたくさんいたとしても、困ったときに助けてくれる友達の数が同様に多いわけではない」という研究結果を東京都健康長寿医療センター研究所が発表しました。
健康長寿医療センターの研究をもっと見る研究では、中高年層が多く利用するSNS「趣味人倶楽部」の会員を対象に、Facebookの友人数と現実の交友関係の関係性を調査。
アンケートに答えた会員のうち、40歳以上でFacebookのアカウントを持つと回答した2320人を対象として、Facebookの友人数に応じた「実際に親密な付き合いをしている人の数」と「実際に困った時に助けてくれそうな人の数」を解析。
すると、Facebookの友達数が500人以下の場合は、友人数が増えるにつれて、現実の「親密な付き合いの人」と「困った時に助けてくれそうな人」の数は増えています。
「困った時に助けてくれそうな人」に限っては、友達数500人で頭打ちに。友達数が500人以上でも、201~500人の場合と同程度にとどまりました。研究チームは「SNS上の友達が多くても、困った時に助けてくれるような実際に機能する相手は一部に限られてしまう」と推測しています。
今回の研究は、コロナ禍でSNSの交流が急速に進んだが、現実世界の交友関係にどのような影響があるか明らかにすることを狙いとしています。研究チームが「現実のつながりを完全に代替できるものではない」と言及するように、SNSはあくまでも現実のつながりを補完・強化する役割にとどまるようです。