1万人当たりの65歳以上の自転車事故件数は、最多の東京都と最少の長崎県で約25倍の開きがある。こんな統計分析を民間団体「自転車の安全利用促進委員会」がまとめた。
同委は、事故を調査研究する「交通事故総合分析センター」の事故データ(2022年1~12月)を基に、高齢者の自転車事故件数を分析。都道府県別に人口1万人当たりの事故件数をまとめた。
それによると、最も多かったのは東京で19・22件。次いで、大阪(12・53件)、栃木(10・63件)、兵庫(10・15件)、愛知(8・83件)と続いた。全国平均は6・82件だった。
人が密集し、道路も狭くなりがちな都市部に事故が集中している傾向がうかがえた。上位の都府県の中で栃木は比較的人口が少ないが、同委は「自動車や自転車の保有台数が多いことから、自転車事故発生と関連しているのではないか」と推測する。
一方、最も少なかった長崎県は0・75件。自転車産業振興協会の21年調査によると、同県内の自転車の世帯保有率は全国最下位の29・3%。長崎市は急な坂が多いことでも知られており、ある自治体関係者は「坂の町であることも影響しているかもしれない」と明かす。
同委は「高齢者の自転車事故は重傷につながりやすい。ヘルメットの着用や自転車交通ルールの見直しなどを徹底してほしい」と改めて注意を呼びかけている。
引用元:https://mainichi.jp/articles/20230911/k00/00m/040/267000c