北九州市内の交差点で、高齢者が乗る「シニアカー」が赤信号を無視してゆっくりと交差点を横断する様子がカメラに捉えられました。目撃者は「おじいさんは周りが見えていない感じで、危ないなと思った」と振り返っています。
シニアカーは、名前に「カー」がついていますが、道路交通法上は歩行者として扱われるため、基本的に歩道を走行し、横断歩道を渡らなければなりません。しかし、この動画では、シニアカーが車道を走行し、赤信号を無視して斜めに交差点を横断していく様子が確認できます。
交通事故鑑定の専門家、中島博史所長は、シニアカーの最高速度が時速6kmに制限されているため、横断する際には常に余裕を持って操作する必要があると指摘しています。
シニアカーによる交通事故は少なくありません。警察庁のデータによれば、去年1年間で電動車いすの交通事故は140件以上発生し、5人が死亡しています。7月には、熊本県で95歳の男性がシニアカーに乗って交差点を渡っている最中に車にはねられ、死亡する事故も発生しています。
シニアカーの利用者と他の交通参加者双方に、交通ルールの遵守と安全運転への配慮が改めて求められる事態となっています。