上毛新聞より
高齢者の活躍を後押しするための基本理念などを定めた群馬県伊勢崎市の条例案が20日、市議会本会議で全会一致で可決された。市民や事業者、地域団体の役割を明記して意識を高めるとともに、働く場の確保、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進といった施策を総合的に進め、高齢者がより長く元気に活躍できる地域の実現を目指す。施行は4月1日付。市によると、同様の趣旨の条例は県内に例がなく、全国的にも珍しいという。
名称は「高齢者が生き生きと活躍できる社会の実現の推進に関する条例」。基本理念として①創意工夫を生かした自主的、主体的な取り組みを尊重②高齢者が地域社会の担い手として誇りと生きがいを感じながら、その希望と適性に合った活動に取り組める環境づくり―を掲げる。
基本理念の実現に向け、市には施策を推進する責務があるとし、市民は施策への協力などに、事業者と地域団体は高齢者が円滑に生活を営むための支援や活躍機会の提供などに努めると明示した。こうした役割分担と相互連携、協力の下で施策を推進していく決意を表明している。
条例制定に当たり、市は昨年5月に区長会や老人クラブ連合会などの代表者で構成する会議を設置し、内容を検討してきた。可決を受け、臂泰雄市長は上毛新聞の取材に「高齢者にさらに活躍し、生き生きと生活していただきたいとの思いを条例に込めた」と説明。高齢者を巡る実態や必要な支援を調べるなど、理念の実現に向けた取り組みを進めるとした。