走って、跳んで障害物を乗り越えて移動する都市型競技「パルクール」の知名度向上と普及に、宇部市が力を入れている。若者向けと思われがちだが、無理のない体の動かし方を覚えられ、高齢者の運動能力維持にも効果的とされる。市はにぎわいと健康づくりに生かそうと、秋に開催予定の日本選手権誘致を目標に掲げている。
「競争しない」「急がない」「どうやったら成功するかを考える」。2月下旬、同市恩田町の俵田翁記念体育館で高齢者向けの体験会が開かれた。全日本パルクール連盟代表理事の荒本英世さん(37)が、楽しみ方をアドバイスした。
市内外から参加した65歳以上の男女約40人は、指導を受けながら、跳び箱や、顔や頭を打たない受け身の取り方を練習した。
同市上宇部の森本和子さん(71)は「日頃運動しないので最初は難しそうと思っていたが、やってみると意外にできた」と声を弾ませた。
フランス発祥のパルクールは、2028年のロサンゼルス五輪の新種目候補だ。派手なアクションが若者の人気を集める一方、バランス感覚や全身の筋肉が鍛えられることから、高齢者のけが防止や健康維持にも効果があるという。
市は近年、スケートボードや3人制バスケットボールなど、若者を中心に人気の都市型スポーツを取り入れたまちづくりに取り組んでいる。
今後、若い世代から高齢者までを対象にしたパルクール体験会を複数回予定している。また、6月に市内で行われる3人制バスケのプロリーグ戦に合わせ、会場内にパルクールの体験コーナーも設ける。
市スポーツ振興課の担当者は「若年層から高齢者まで幅広く楽しめ、健康増進にもつながる。街中でも気軽に楽しめるスペースを確保するなどしたい」と話している。
引用元:https://www.yomiuri.co.jp/local/yamaguchi/news/20230315-OYTNT50124/