高齢者や障害者にネイルアートを施す「福祉ネイル」【岡山県真庭市】

山陽新聞より

高齢者や障害者にネイルアートを施す「福祉ネイル」を広めようと、真庭市下呰部でネイルサロンを営む神本智加さん(32)が奮闘している。気持ちを前向きにする効果もあるとされ、市内の高齢者施設で利用者の心を和ませながら交流し、指先からお年寄りらの生活を彩る。資格を取得できるスクールを岡山県内で初めて開設し、後継者育成にも力を注いでいる。

「今日は何色にしましょうか」「きれいな爪をされとるねえ」。認知症対応型のグループホーム「あしたりの家」(同市五名)。神本さんが女性利用者の手をとり、目を見て優しく声をかける。爪を塗る間も、女性が結婚した頃の話や飼っていたペットの話題などで会話をつなぐ。

神本さんは月1回、あしたりの家を訪ね、施設や併設する介護事業所の利用者にネイルアートを行う。濃いピンク色に爪を彩った女性(84)は「自分ではこんなにきれいに塗れない。本当に楽しい時間」と顔をほころばせた。

福祉ネイリストは、一般社団法人・日本保健福祉ネイリスト協会(大阪府)が認定する民間資格。ネイルケアの知識に加え、認知症の特性や対応法を学び、福祉施設での実習を経て取得できる。全国で約1500人、県内では23人が資格を持つ。資格を取れる全国53の同協会認定校のうち、県内は神本さんが運営する北房校(同市下呰部)のみだ。

2020年に自宅でサロンを開業した神本さん。顧客は中高年が多く、ずっとネイルアートを続けてほしいと思い、福祉ネイリストの存在に出合った。翌年春に大阪で資格を取得。認知度の低い県内でも普及につなげようと、さらに半年間の研修を経て21年秋、スクールを開校した。

同協会学術顧問を務める吉備国際大の佐藤三矢准教授(保健学)によると、福祉ネイリストの業務は「見る」「話す」「触れる」などの観点が重要で、認知症患者のケア技法と親和性があるという。「ネイルケアを続けた利用者が身なりに気を使うようになり、生活に前向きになった事例もある。需要は今後増えるのでは」とみる。

神本さんの下で既に20人が卒業し、福祉施設などで活躍する。神本さんは「爪を彩り、高齢者の顔がぱっと明るくなる瞬間が一番のやりがい。より多くの人におしゃれを楽しんでもらえるよう頑張りたい」とほほえむ。

引用元:https://www.sanyonews.jp/article/1348006

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