沖縄県浦添市大平のNPO法人ライフサポートてだこが運営する小規模多機能ホーム「あん」に入所する高齢者が14日、陽明高校に出向き「おじいおばあの出張駄菓子屋」を開いた。スナックやグミなど1個数十円の駄菓子を高校生が列を作って買い求めた。中には「しーぶん(おまけ)」を渡す入所者も。世代間交流や認知症への理解促進など「ノーマライゼーション」を目的として企画した。
入所者の翁長ツルさん(92)は購入分以外のおまけもつい渡してしまったといい「とても楽しめた」。高校生から「長生きしてね」と声をかけられた當眞美佐子さん(77)は「孫みたいにかわいくてパワーをもらえた」と満足そうだった。
駄菓子100円分を買った3年生の山田キアラさん(18)は「久しぶりに駄菓子を食べた。懐かしい味」。3年の宮川心瑠(こいる)さん(18)は「小学生の頃に商店でよく買っていたのを思い出す」と話した。
福祉科教諭の下地将生さんは「高齢者と若い世代が普段から交流できる場づくりをしたい。今後も続けたい」と話した。
施設管理者で介護福祉士の外間さよさんは自身も陽明高出身。コロナ禍前までは施設前で駄菓子を販売し、地域の子どもたちが訪れていたという。「コロナ禍で家と施設だけの行き来が多くなったが、世代間交流は入所者の頭の活性化にもなる」とメリットを説いた。
今後も地域のイベントや機会を捉えて出向くことを考えており、出店希望があれば対応したいという。