大日本帝国憲法発布の日であった1889年(明治22年)の今日、東京・青山練兵場での臨時観兵式に向かう明治天皇の馬車に向かって初めて万歳三唱が行われたとされます。それまで日本には天皇を歓呼する言葉がなく、出御にあたってただ最敬礼するのみであったが、帝国大学(現:東京大学)の学生一同で皇居前に並び明治天皇を奉送迎しようという議が起こり、これに際して最敬礼では物足りないので歓呼の声を挙げようという話が教師の間で持ち上がりました。
そこで、フランス語の「ヴィヴ・ラ・フランス」や英語の「セーヴ・ザ・キング」のような唱和の言葉を考えることになり、帝国大学法科大学(現:東京大学法学部)和田垣謙三教授の提議した「万歳、万歳、万々歳」の唱和が決められました。しかし、当日最初の「万歳」が高らかにあがると馬車の馬が驚いて立ち止まってしまい、そのため二声目の「万歳」は小声となり、三声目の「万々歳」は言えずじまいに終わりました。これを聴いた人々は「万歳」を再唱したと思ったようで、以後、めでたい時の歓呼の声として「万歳(ばんざい)」が唱えられるようになり、「万々歳(ばんばんざい)」は定着しませんでした。