体験記

最後の1週間

入院して3週間が過ぎて11月2日(月)になりました。今日は冠動脈バイパス手術の経過を見るためのカテーテル検査があります。

女子医大病院でのカテーテル検査は初めてです。看護師さんに車椅子を押してもらい検査室に入ります。女子医大病院に来る前にカテーテル検査をしたクリニックと違い少し雑然とした雰囲気の検査室です。

今回も右手首からカテーテルを通します。手際よく検査は進み、30分ほどで終了です。この結果を見て、正式な退院へのカウントダウンが始まるそうです。結果が悪かったらまた手術ですか? と、聞くと「大丈夫ですよ。手術後の経過が悪い人は、ここに来る前に手術台に戻ってますよ」と言われました。仰るとおりです。

圧迫止血されて病室に戻ります。今回もしばらく安静にして止血の状態を観察されます。点滴をされて、徐々に空気を抜かれて、夜には完全に圧迫止血バンドは外されました。

結果OKです。退院です。

翌日朝、担当医の先生が来てくれてカテーテル検査の結果を教えてくれました。バイパス手術した2本の血管は上手く流れています。「バイパスだからビュンビュンですよ」と多分渾身のギャグを交えて話してくれました。

僧帽弁形成術と大動脈弁閉鎖不全症の方も経過が良いので退院できますよと言われます。退院については看護師さんと話してくださいねと言われました。

やった! ようやく退院できます。

東京女子医科大学病院の心臓血管外科の先生方にはお世話になりました。確かな技術で命を救ってもらいました。お陰でもう少し長生きできそうです。

看護師T嬢が「退院のしおり」というプリントを持ってきてくれました。退院するまでに薬剤師さんからの服薬指導とか、まだやらなければならないことを説明してくれます。

リハビリも最終段階が残っています。と言うことで、退院日は11月7日の土曜日に決まりました。

リハビリ室にお越し下さい

水曜日からのリハビリはリハビリテーション科に出向いて、エアロバイクを使うと言われました。初日はヘルパーさんが車椅子に乗せて連れていってくれました。

軽い準備体操をして、エアロバイクを漕ぎます。時間は約30分間です。まだ負荷はあまりかけません。心電図モニターで様子を見ながらエアロバイクを漕ぎます。最後も軽い柔軟体操をしてリハビリ終了です。久しぶりに運動をしたなといった感じです。

「なかひろさん、大丈夫でしたか?」と療法士さんが訪ねます。
「はい、大丈夫です」
「そうですか、良かったです。じゃ、明日は歩いてきてくださいね」
「はぁ? 歩いて?」
「そうですよ。これもリハビリの一環です」

入院してから、病院内の移動はヘルパーさんが押してくれる車椅子移動だったからそれに慣れてしまっていました。でも、自力で歩けるし、退院して普通の生活に戻らなければ行けないのですから歩かないとね。

しかし、中央病棟からリハビリ室まで遠いのよね・・・結構歩きますよ

中央病棟から続く渡り廊下。
リハビリテーション科はずっと奥の第1病棟なので結構距離あります。

退院後の生活について

退院後の3ヶ月は血液を固まりにくくするワーファリンという薬を服用するように言われました。人工弁への取替はしていないので、生涯服用する必要はありません。ただ、弁形成術で人工弁輪(リング)を使用しているために、組織が覆いかぶさるまで血液の凝固を避ける必要があるそうです。

ワーファリンの服用と合わせて、減塩食も続けなければならないので、栄養士さんから話を聞くことにしました。その旨を看護師T嬢にお願いすると、栄養士さんに連絡をとってくれました。栄養士さんは病室まで来てくれました。

退院後の生活の注意点などはT嬢がプリントを使って説明してくれました。私の場合、服用する薬に影響があるのでグレープフルーツに注意するように言われました。ワーファリンに影響するビタミンKを多く含む、納豆、青汁、クロレラなどは注意が必要とは聞いてましたが、グレープフルーツもそうだとは知りませんでした。

こうして入院生活最後の1週間は過ぎていきました。