体験記

担当医から手術前の説明

一連の検査が終わり、10月18日に手術の説明を受けることになりました。本来であれば、家族とともに先生から説明を聞くのですが、ここでもコロナ禍の影響で別々に聞くことになりました。

まずは私が説明を聞いて、その後、妻が説明を聞きます。面会もできない状況なので仕方ありません。妻には時間をおいて病院まで来てもらうように連絡してあります。

16:00から空いている個室で先生から説明を受けました。看護師さんが立ち会ってくれます。「心臓弁膜症の入院生活・手術についての説明書」と記載されたプリントと心臓の模型を使って説明してくれます。

図解と模型を示しながら、現在の症状と医療チームで検討された話、手術の説明を丁寧にしてくれます。やはり私の心臓手術は「胸骨正中切開」という方法で行いますと言われます。

胸骨正中切開とは

心臓は、胸骨、肋骨、鎖骨、椎体から囲まれる、「胸郭」というスペース内の前方に位置しています。そして心臓はこの胸郭の中で胸骨の真下に位置しています。そのため、心臓手術は「胸骨正中切開」と呼ばれるアプローチで行われるのが一般的な方法です。

静岡県立こども病院HPより
http://www.shizuoka-pho.jp/kodomo/department/cardiova/operation/approach/index.html#:~:text=%E3%80%8C%E8%83%B8%E9%AA%A8%E6%AD%A3%E4%B8%AD%E5%88%87%E9%96%8B%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF,%E3%82%92%E4%BD%9C%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

予定している術式は「大動脈置換術」「僧帽弁形成術」「冠動脈バイパス術」で、手術時間は6~7時間と説明されました。本当に大手術です。各術式についても一つ一つ丁寧に説明してくれます。

合併症などの説明も十分にしてくれました。不明な点や不安な点も正確に教えてもらえるので安心して手術をお願いできます。リスクが何もない訳ではありませんがあれこれ言っても仕方ないので「よろしくお願いいたします」とお願いしました。

手術後の肺合併症を起こさないために、呼吸の練習をやっておくように言われました。腹式呼吸を意識してやっておくように言われました。うがいも感染症予防に大切だそうです。一日三回はうがいをするように言われました。

最後に手術に関連するいろいろな同意書に署名します。この時に、手術するんだなと、実感します。私としては「まな板の上の鯉」ですから治してもらえるならお好きにどうぞ! って感じでした。

先生は私の説明が終わってから、妻への説明のため1階へ降りて行きました。コロナ禍では手術を受ける家族でも病室へは入れないので、別室で説明になります。

1時間ほどすると、病室に戻った私に妻から「終わったよ」とLINEが届きました。窓側だったので下を見ると、妻の姿が見られました。病室なので電話ができなかったのでLINEでやり取りをしました。

私が入っていた病室からの眺め

本来なら一緒に説明受けて、会話もできたでしょうし、顔を見ることもできたのでしょう。一人で説明を聞いて心細かったと思います。コロナ禍の状況で面会も禁止されているので仕方ないです。毎日顔を合わせて、、見飽きた顔の妻ですが、窓から見える小さな姿を見ているとちょっと寂しくなってしまいました。

先生に「この手術の死亡率は3%です」と説明されました。ひょっとすると、手術が失敗して・・・感染症になったりして・・・その3%が俺になったり・・・なんて考えが持ち上がってきました。

眼下でこちらを見上げて手を振る妻の顔を見られるのもこれが最後になるかもしれないと思うと少し感傷的になりました。

いかん、いかん、私がしっかりしなければ、生き抜いてやる!