体験記

検査が続きます

入院生活の1日は6時頃から始まります。これくらいの時間になると夜勤の看護師さんが動き出します。大体7時を過ぎる頃に看護師さんがやってきます。計った体重を伝えて、体温、血圧、血中酸素飽和度を計って記録されます。必要な時は採血もされます。

基本的に毎日朝と夜に看護師さんが交代します。日勤の看護師さんが出勤してくると「今日の担当の〇〇です」と病室に来てくれて、その日の検査予定などを教えてくれます。夜の交代時には夜勤の看護師さんが挨拶にきてくれます。

巡回には患者の情報(電子カルテ)をが入ったノートパソコンを載せた台(ナーシングカートというらしい)を押して各部屋を周ってきます。こうして看護師さんが交代しても情報共有がスムーズにいくようにされています。

10月11日は日曜日なので検査もありません。身体の不調もないので、のんびりと一日を過ごしました。担当看護師になったT嬢から「来週から色々な検査が始まりますよ。あちらこちらへ行ってもらうことになります」と言われます。

彼女には入院中に要所要所での説明をしてもらいました。私のくだらない話にも嫌な顔をせず(本心はしていたかもしれないけど…)付き合ってくれて入院中は本当に助けてもらいました。ありがとうございました。

まずは月曜日に口腔外科の診察がありました。心臓弁膜症の手術を受ける時に多くの人は全身麻酔をかけて、一時的に人工心肺装置を使用して手術されます。その手術の感染症の予防のために手術前に口腔外科の診察を受けるそうです。

いざ手術!の前に、どうして歯医者に受診なの?

周術期口腔ケアを行うことで、患者さんは安心して手術を受けられ、手術後の感染リスクを減らすことで入院期間を短縮でき、お口の不快症状を除去することで生活の質を下げずに治療に集中できる、といった利点があるといえます。

青森労災病院 うみねこ通信 No.204
http://www.aomorih.johas.go.jp/guide/umineko/2016/7.php

火曜日は「大伏在静脈エコー検査」と「経食道心臓エコー検査」がありました。大伏在静脈エコー検査は、冠動脈バイパス手術に使うのは内胸動脈2本となっていますが、もしもの時のために、一応検査しておきますとのことでした。

経食道心臓エコー検査は胃カメラのようなものを飲み込んで、心臓を裏からエコーで見る検査です。

経食道心臓エコー検査とは

経食道心臓超音波検査は、心臓のすぐ後ろにある食道側から心臓を観察するため、骨や肺などに邪魔されない優れた利点があります。通常の心臓超音波検査では見えにくい場所やより詳細な観察が必要な場合に行っています。

特に心臓の弁の状態や心臓の中に血栓(血の塊)などの異常構造物がないかについて調べる場合にはきわめて有用な検査です。

国立循環器病研究センター病院 生理機能検査室より
http://www.ncvc.go.jp/hospital/section/treatment/laboratorymedicine/physiofunction/detail09.html

経食道心臓エコー検査には迷路のような地下通路を通って向かいました。ヘルパーさんに連れて行ってもらないとわかりませんね。

多分、外来の人はこない検査室だと思われます。薄暗くされた検査室に入って、ベッドへ行きます。検査技師の女性から「食道から胃カメラを入れるので、喉に麻酔をかけますね」と言われます。

ベッドに横向きに寝ると、マウスピースをしてから胃カメラみたいなもの(胃カメラしたことなですが・・・)を飲まされます。「ゴクッと飲み込んでください」と言われて飲み込みます。後は違和感なく検査は進みます。

横になっている間に、検査をされます。気持ち悪かったり、吐き気がしたりなどは無く、大体30分程度で終わりました。知らぬ間に眠っていました。

検査が終わってヘルパーさんのお迎えを待つ間に検査室の先生がエコー画像を見せてくれました。

「ほら、ここのイボ痔みたいに膨らんでいる箇所があるでしょ? ここが僧帽弁でね。上手く開閉しないのね、ねっ!イボ痔っぽいでしょう!」
「はぁ・・・でも、イボ痔をじっくり見たことないので・・・イボ痔みたいと言われてもわかりません」
「・・・・・・」

点滴生活の始まり

服用していた血液をサラサラにする薬を止めて、代わりを点滴で行うことになりました。今日から手術の日まで24時間点滴生活になります。左腕に点滴針が刺されます。

ぶれててすみません。

これからは、点滴液を管理する機械が据え付けられたキャスター付きスタンドがお供になります。トイレも検査で他の病棟に行くのもスタンドが一緒だったので不便でした。シャワーの時は点滴を看護師さんに頼んで外してもらうことになります。

点滴スタンドに付いている管理装置。
写真はテルモさんから

時々、点滴を管理する機械から「閉塞アラーム」というのが出ます。画面に赤く大きな文字で閉塞と出て、アラームが鳴ると結構ドキッとします。

ナースコールで看護師さんに「閉塞です」と伝えるとチェックに来てくれます。聞くと点滴針を刺した場所が肘に近かったのでちょっと肘を曲げている時間が長いと警報がなってしまうようでした。「刺し直しましょうか?」と言われましたが、気をつけていれば良かったのでそのままにしてもらいました。

これから入院して点滴生活する方は、できる限り肘から離れた箇所に点滴針を刺してもらうのが良いですよ。

点滴以外に身体にはホルター心電図による24時間モニターが行われてます。不整脈のチェック、心電図をモニターするための電極を体に貼り付けるようにテープで装着されています。電極から繋がった小さな検査装置から電波が飛んでナースステーションでモニターできるそうです。何度か寝ている時に、「外れてます」と看護師さんが確認に来てくれたことがありました。「死んでます」でなくてよかったです。

こんな感じですが、電極は3箇所でした。

水曜日はABI/PWV検査を受けました。これは10分ほど寝ているだけだったので、簡単に終わりました。

足の動脈硬化検査(ABI/PWV検査)とは

ABI検査とPWV検査では、手と足の血圧の比較や脈の伝わり方を測ることで、動脈硬化の程度を数値として表します。動脈硬化(血管の老化など)の度合を知ることができます。

所沢ハートセンター付属しんとこ駅前クリニックHPより
https://shintoko.org/%E8%B6%B3%E3%81%AE%E5%8B%95%E8%84%88%E7%A1%AC%E5%8C%96%E6%A4%9C%E6%9F%BB%EF%BC%88abipwv%E6%A4%9C%E6%9F%BB%EF%BC%89/

木曜日は麻酔科の診察と検査、金曜日に口腔外科で歯のお掃除をしてもらって1週間の検査日程が終了しました。土曜日に手術担当の先生から手術の説明を受けることになりました。