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浜松の企業 高齢者の会話補う装置 1対1聞こえやすく

自動車・バイク部品メーカー「やまと興業」(浜松市浜北区)が、耳の遠い高齢者らの会話をマイクとスピーカーを使って補助する装置「聴こえ♪ルンです」の販売を始めた。高齢者が同居する家庭から生まれたアイデアを商品化した。

この装置は、マイクを内蔵した手のひらサイズの本体と、コードでつながった耳あて式スピーカーで構成。話し手は本体に向かって話し、聞き手はスピーカーを耳に当てれば声が聞こえる仕組みだ。

通常の補聴器と違い、話し手がマイクを口元に近づけることができるため、周囲の雑音を拾いにくい。また、音量設定を「大」にすれば、本体を机の上など近くに置くだけで複数の人の声を拾うことが可能だ。

装置を考案したのは、富士市の男性(74)。高齢の父親が、家族の補助なしでは友人と会話できなかったり、補聴器を耳から落としてしまったりするのを見て、「耳の遠い父でも会話が楽しめるような装置を作りたい」と思ったという。

男性は、エンジニアとして自動車関連の部品開発に携わった経験を生かし、2015~16年頃に自分で開発した。この話題を19年に知った同社がアイデアに共感。製造・販売を打診したところ、「父親のために考えていたことが、多くの皆さんの役に立つならありがたい」(男性)と承諾してもらい、商品化に至った。

今年4月に販売を始めると、個人客や介護施設から注文が入った。利用者からは「よく聞こえる」「補聴器を持っているが、家ではこれを使いたい」など好評という。特定の相手との1対1の会話が聞こえやすい特徴を生かし、今後は役所や店舗の窓口などでの利用も想定している。

同社商品開発課長(41)は「補聴器を持たない高齢者がコミュニケーション不足に陥ってしまう例は少なくない。この装置が、家族だんらんの助けになれば」と話す。 「聴こえ♪ルンです」は、単4電池2本で作動し、USBケーブルの使用も可能。税込み1万6280円。

引用元:https://www.yomiuri.co.jp/pluralphoto/20220517-OYTNI50047/