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東日本で唯一残る高齢者の学び場…千代田区の通信制中学が来年度も存続へ

終戦直後の学制移行期に中学校を卒業できなかった人を対象とし、東日本に唯一残る東京都千代田区立神田一橋中学校の通信制が、途切れかけた歴史をつなぐことになりそうだ。

生徒数が激減し、ただ一人の在校生も本年度で卒業予定だったが危ぶまれていた問題で、19日に締め切られた来年度の生徒募集に少なくとも9人の応募があった。

「貴重な学び場を残してほしい」という要望を受けていた区教委は「存続のめどが立った」としている。区教委によると、10人程度とした募集人数に対し、19日午前の時点で9人が願書を提出。12月4日に学力検査を行って合格者を決めるが、近年は受験者全員が合格しているという。

同中学校通信制は与えられた課題を自宅で学習し、年に20日間程度登校して授業を受ける。本年度の生徒は3年生の91歳女性1人だけで、来年度に新入生がいなければ在籍者ゼロで、休校に追い込まれる可能性があった。

通信制中学校は義務教育期間が戦前の6年から9年になった学制移行期、新制中学校で学べなかった人が、学歴要件がある国家資格の取得時など、社会生活で不利にならないようにする狙いから政府が1947年に制度化した。

一時は全国に19校を数えたが、現在は同校と大阪市の天王寺中学校の2校しかない。制度化当時に定められた入学資格は、46年3月末以前、現在の小学校に当たる尋常小学校卒業か国民学校初等科修了者としており、その場合は最年少でも90歳近くになってしまうため、新たな入学希望者を見込みにくかった。

このため、区教委は区議会や市民団体の存続要望を踏まえ、中学校で十分に学べなかった都内に在住または在勤で65歳以上の人に対象を拡大。応募者は全員が別科生といい、担当者は「対象の拡大で、学びたいという需要を掘り起こせたと思う」と話した。

現在、12都府県に計36校あり、最近は不登校だった生徒や、出身国で貧困や戦乱で教育機会を阻まれた定住外国人も多く通う。通信制中学校は終戦直後、学制移行期のはざまで新制中学校へ行けなかった人の救済措置の側面が強く、新設はされていないが、通学が困難な人のために拡充するべきだとの指摘もある。

通信制の存続にめどが立ったことについて、唯一の在校生である松村節子さん(91)=新宿区=は「とてもうれしい」と喜ぶ。 東京出身の松村さんは都内の女学校に通っていたが、在学中に太平洋戦争が激化。義務教育未修了者の支援に取り組む市民団体「夜間中学校と教育を語る会」の沢井留里さんは、署名活動などで通信制の存続を求めてきた。

引用元:https://www.tokyo-np.co.jp/article/144234

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