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70歳までにがんになる確率は? 50代で増える病気とけが

昭和から平成の初めであれば「60歳で定年」が普通だったでしょうが、今や50代を迎えて役職定年や、還暦間近では継続雇用制度の再雇用が想定される状況にあって、何歳まで働くかということは切実な課題です。

この10年ほどは「65歳まで」だったのが、この4月に施行された改正高年齢者雇用安定法により「70歳まで」が標準に変わっていきます。

これらの理由が少子化に対する年金等の社会保険制度の維持であるのは言を俟たないですが、令和時代の高齢者は昭和と比べて心身の機能が改善しているという背景もあります。

この3年間で厚生労働省の施策は着々と展開されているものの、加齢に伴うけがや病気の頻度が増える中、働く人と会社側の双方による高齢化に対する本格的な対応が遅れていることに目を向ける必要があると考えます。

擦り傷程度では済まない転倒災害 50代以降では、ちょっとした段差につまずいた時に次の足が出なかったり、手が出なかったり、体幹が反応できなければ転倒するリスクが大きくなります。

滑りやすい床では後ろにひっくり返り、後頭部をぶつけて大けがをする人も増えます。工場だけでなくオフィスの中でも労災事故となり、健康に大きな影響を及ぼしますが、そのリスクは在宅勤務を中心とするテレワーク中でも同様です。

女性で骨粗しょう症の傾向があると股関節に近い大腿骨の骨折を起こす可能性もあります。 同種の問題として、荷物を取ろうとして脚立の上から墜落して床に叩きつけられ、頚椎骨折等を起こして命を落とすことさえあります。

厚生労働省の労災事故の統計によると、休業4日以上ないし死亡を伴う転倒災害の年間千人あたりの発生率は次の図のようになります。

男性の20代後半と比べて50代~60代後半では約3倍から4倍に、女性では実に9倍強から16倍に増加します。

一番の課題はけがをする瞬間まで、意識的にせよ、無意識にせよ、そのようなことは起きないだろう、起きないはずだと働く人と職場の両方が考えていて、そのダメージを想定すらしていないことだと感じます。

高年齢労働で次に考えるべきはがん、動脈硬化による狭心症や心筋梗塞等の心臓病、脳梗塞やくも膜下出血のような脳卒中、日常に支障が出るような腰痛症、視力に影響する白内障や緑内障、聴力の低下する老人性難聴等の健康問題です

生命保険会社等の宣伝もあって、がんとなる確率が一生のスパンで男性が6割強、女性が5割程度であると聞いたことがあるかもしれないですが、我が事と捉えている働く人は少ない、と実感します。

例えば今、55歳の男性が70歳までの15年間に何らかのがんと診断される確率は18.0%、同じ年齢の女性では12.7%となります。

けがと同じように、がんと診断された場合にも、多くの働く人は休業、休職の手続きを踏まなければなりません。来る手術等を心配しながら、お金の面で自宅や自動車のローンや教育費の支払いを確認し、就労できない期間の収入確保や預金が十分であるのかにも思いを巡らせる必要があります。

手術を終え、退院して自宅療養から職場復帰する際には、低下した体力と気力を奮い立たせて乗り越えなければなりません。さらに上司や同僚には負担をかけた後ですから、それまでの所属する部門での立ち位置と人間関係が変化している可能性があります。

がん以外にも病気を持ちながら働く人は多く、心臓病は75万人、脳卒中は23万人というデータもあります。50代以降の働く人は動脈硬化による病気等にも、ご自身のリスクに応じた心構えが必要な時期に来ているのではないでしょうか。

引用元:https://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXZQOLM312UK031102021000000?channel=BSH01010

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