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【ナショナル ジオグラフィック】ワクチン接種した高齢者、コロナのリスクはどれぐらい?

10月18日に、米国のコリン・パウエル元国務長官が新型コロナウイルス感染症の合併症により死亡したことが報道されると、ワクチンを接種しても感染するブレイクスルー感染への懸念が高まった。

米疾病対策センターがまとめた10月12日時点のデータによると、ブレイクスルー感染で入院した人の67%、死亡した人の85%は65歳以上だった。

米ワシントン州シアトルと英国のデータも、ワクチンを接種した高齢者が重症化するリスクは、ワクチン未接種の子どもと同等か、場合によってはそれより高いことを示していると報道されている。

「45歳未満であれば死亡する確率はゼロに近いレベルです。けれど、それよりも年齢が高くなると、リスクはどんどん高くなります」

ブレイクスルー感染への懸念から、米食品医薬品局は65歳以上を対象に、ファイザー製、モデルナ製、ジョンソン・エンド・ジョンソン製の3種類すべてのワクチンについて追加接種を承認した。

そこで、免疫系の老化についてと、ブレイクスルー感染しても新型コロナワクチンの有効性があらゆる年齢の人にとって高いことに変わりはない理由について、今わかっていることをまとめてみた。

老化で過剰になる免疫と低下する免疫 ワクチン接種が始まる前から高齢者がハイリスクだったのはなぜかに関しては、いまだに十分な説明がつかないと、専門家は言う。

老化した体には他にも多くのことが起こっており、様々な要素が作用しあって免疫反応を損なっているのだろうと、米カリフォルニア州にある生物医学研究グループ「バック老化研究所」所長で最高経営責任者のエリック・ベルディン氏は言う。

歳を取ると、自然免疫の過剰な活動と、獲得免疫の機能低下という2つ面で異常が現れると、ベルディン氏は指摘する。

自然免疫は、特定の病原体に限らず、侵入者に対して真っ先に反応し、広く炎症反応を起こす。高齢者にありがちだが、その反応が必要以上に活発になると、肺から心臓、腎臓まで体の各部分が損傷を受ける。

ワクチンは、活性をもたない病原体やその一部を体内に送り込んで、抗体を作ることを体に教え込む。ベルディン氏は、これを攻撃者から体を守る軍隊に例えて、ウイルス量が少なければ、抗体とT細胞で簡単に撃退できると説明する。

ベルディン氏によると、70歳を超えると3分の1がインフルエンザワクチンに反応しないという。

「これまでのところ、65歳より上か下かで免疫反応は大差ありません。これはうれしいサプライズでした」 9月17日付けのCDCの発表によると、接種後の感染予防効果は全年齢層で91%から半年後には約78%にまで下がっていたと見積もられた。

65歳より上の年齢層の免疫力が低下していることを示す研究もあるが、調査期間中に免疫回避能力が高いデルタ株が増えたせいである可能性も高いと、バッタチャリャ氏は指摘する。

「ニューヨーク・マガジン」誌のデビッド・ウォレス・ウェルズ副編集長は、英国が公式に発表しているデータを引用し、ワクチン接種後に亡くなる人の年齢に大きな偏りがあると9月27日付けの記事で指摘した。

これに対してバッタチャリャ氏は、2つの年齢層を比較するよりも、ワクチン接種者と未接種者のリスクを比較するほうがはるかに重要だとしている。感染予防効果は低下しても、ファイザー製ワクチンは入院を予防するという点で90%の効果があることに変わりはない。

バッタチャリャ氏は、米国が追加接種を65歳以上に限って承認したのは、この年齢層が直面するリスクが他よりも高いためだと指摘する。バッタチャリャ氏も他の科学者も、有名人がブレイクスルー感染したり追加接種が承認されたからと言って、ワクチン接種をためらうべきではないと強調する。

引用元:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD251KW0V21C21A0000000/

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