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デジタル弱者「不安」 行政手続きオンライン化 専門家「社会で支援を」

「デジタル社会の実現」を掲げ、9月に発足したデジタル庁。行政の効率化に欠かせない取り組みだが、パソコンやスマートフォンを使えない熊本県内の高齢者からは「ついていけない」とため息が漏れる。

10月中旬、熊本市中央公民館が主催する「LINE安全活用講座」で、高齢者8人がスマホの小さな画面をのぞき込みながら、悪戦苦闘していた。参加した同市北区の益中満さんは「我々世代でスマホを使いこなせる人はわずか。同講座は定員10人に対し30人超が申し込む人気ぶりという。

昨年の内閣府の調査で、70歳以上の6割弱が「スマホなどを使っていない」と回答。総務省は本年度、全国の携帯電話ショップや公民館など約1800カ所で、高齢者を対象にスマホやマイナンバーカードの使い方を教える方針だ。

熊本市は5月に高齢者の予約を受け付けたが、ホームページからの予約は伸びず、コールセンターに電話が殺到。HPは「同時に数千万人がアクセス可能」にもかかわらず、予約枠が埋まらない皮肉な結果となった。

市は公民館など23カ所に「予約サポートセンター」を開設。市職員やボランティア延べ2千人を配置してHPによる予約を手伝い、9千人超が利用した。

1人暮らしでパソコンはなく、携帯電話は“ガラケー”。一度はスマホを覚えようと購入したが、使いこなせず手放したという。

政府は来年度末までに、健康保険証の再交付など31の行政手続きをオンライン化する方針。 上村さんは加速するデジタル化社会について「ついていけない高齢者が切り捨てられる」と不安を口にする。

衆院選では各政党が「だれ一人取り残さないデジタル社会」を訴えているが、デジタル弱者を救済する具体策は見えない。熊本学園大の境章教授は「『一人も取り残さない』というのは理想論で、ワクチン予約サポートセンターのようなフォローは最後まで必要だ」と指摘。

「弱者を支援するコストまで社会全体で負担しなければ、国民に優しいデジタル社会とは到底言えない」とくぎを刺した。

出典:https://kumanichi.com/articles/447254

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