インターネット記事

高齢者の孤独死。その時賃貸は事故物件になる?国交省が告知ガイドライン提示

65歳からの部屋探しを支援するR65不動産が、全国の65歳以上を対象に「孤独死に関する意識調査」を実施した。

高齢期になると賃貸住宅が借りづらい理由の一つが「孤独死」。高齢期になると賃貸住宅への入居を断られる事例が多くなるのは、主に次のような要因による。

  1. 入居中に何かあったときに駆けつけて対応してくれる連帯保証人や緊急連絡先が必要
  2. 入居中に認知症などで判断力が低下したときにトラブルが起きる可能性
  3. 孤独死などが起きたとき、賃借権の解消や残置物の処理に手間がかかり、次の入居に支障が出る

貸主側の工夫や頑張りで解消する部分もあるが、孤独死などが起きると、一定期間は次の入居者募集ができず、次の入居が遅れれば想定している賃貸収入が得られないという、賃貸経営上の問題が生じる点でやっかいだ。

その孤独死について、R65不動産が調査を実施したところ、驚くような結果が出た。65歳以上に「孤独死の危険がある出来事(病気・災害・事故等)が起こってしまった場合、どちらを強く懸念するか」と聞いて、次の3択を提示した。
「生きている間に見つけてもらえないこと」
「長期的に遺体が放置されてしまうこと」
「どちらとも言えない」

この問いへの回答は、「生きている間に見つけてもらえないこと」が25.1%だったのに対し、「長期的に遺体が放置されてしまうこと」は41.1%と約1.6倍も多かった。

孤独死に関して以下を考えるかを聞くと、 「未然に防ぐことが難しいためやむを得ないと思う」58.8% 「たとえ何が起きてもすでに覚悟を決めている」51.8% となり、孤独死はやむを得ないもので、覚悟を決めているという人が半数以上であることが分かる。

実は不動産業界では、賃貸借契約の際に孤独死があったことを告知すべきか議論がされていた。「宅地建物業者(以下、宅建業者)は契約の判断に影響を及ぼすような重要な事実を告知する義務がある」と定めているからである。

告知すべき内容には、借りようとする部屋で自殺や他殺などの事件があったり、近くに暴力団事務所があったりなど、そこに住む人が嫌悪感をもつような「心理的瑕疵(かし=欠陥や傷)も含まれる。

2021年10月8日に国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定し、公表した。分かりやすくいうと、次のような原則が提示されたことになる。

  • 売買・賃貸ともに、孤独死を含む自然死や不慮の死などの場合は告知不要
  • 賃貸の契約で、自殺や他殺などの場合、特殊清掃等が行われた場合でも3年程度経過したら告知不要
  • 売買・賃貸ともに、隣接する住戸や通常使用しない集合住宅の共用部分(※)は告知の対象外(※)該当住戸のベランダや通常使用する玄関・エレベーター等は告知の対象

近隣の人によく知られた大きな事件になったような場合は告知すべきとしているほか、契約するかどうかの判断に重要な影響を及ぼす場合も告知すべきとしている。

こうしたガイドラインができたことで、孤独死=事故物件扱いとなって価格や賃料を下げざるを得ない、といったことを避けられるメリットがある。

加えて、孤独死などによる残置物の処理についても、国土交通省が2021年6月に、賃貸借契約の解除や残置物の処理を内容とした死後事務委任契約に関する「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を定めており、高齢者が賃貸住宅を借りづらいという環境をつくらないよう努めている。

超高齢化社会を早期に迎える日本では、単身の高齢者が増加するとみられており、孤独死はより身近な問題となるだろう。

出典:https://suumo.jp/journal/2021/10/27/183278/

注目ニュース